RHEL

VirtualBoxによるRHELの仮想サーバ構築

ClientPC

個人でRHELを簡単に検証できる環境を作りたいんだけど、どうやったらいいの?

この悩みをVirtualBoxで解決します

本記事の内容
  • VirtualBoxとRHELについて簡単に解説
  • VirtualBoxでRHELをインストールする方法
  • 仮想マシンの設定方法

はじめに

VirtualBoxとは

使用しているPC上に、仮想的にサーバを作ることができるソフトウェアです
仮想的なサーバなので、壊したりしてしまっても問題なし!
もう一度作ればよいだけ!

PCの中に仮想的にサーバを作ることができます
PCの中に仮想的にサーバを作ることができます

RHELとは

RHELとは「Red Hat Enterprise Linux」の略です
Linuxの商用ディストリビューションであり、有料のLinuxでは最も多く利用されています

参考リンク:Red Hat、エンタープライズ Linux サーバー市場をリード

使用環境

  • Windows10
  • VirtualBox バージョン 6.1.16 r140961 (Qt5.6.2)
  • RHEL 8.3 64bitバージョン

仮想マシン作成準備

VirtualBoxのインストール

VirtualBoxの公式ページから、使用するパソコンのOSにあったものをダウンロードしてインストール!!

RHELのダウンロード

Red Hat Developer Programに参加すると、Red Hatを利用することができます
1年間有効なサブスクリプションになります

Developer Programに参加すると、開発者向けのさまざまなリソースにアクセスすることができるようになります!!!
有効活用したいですね

赤帽エンジニアブログさんを参考にDeveloper Programに参加してRHELのOSインストールイメージをダウンロードしましょう。
基本的には最新のバージョンしか選べません!

VirtualBoxで仮想マシン作成

VirtualBoxでのRHELインストール準備

新規ボタンを押して仮想マシンの作成を開始します

必要な仮想マシンの設定を行います
設定したら作成ボタンを押します

項目設定値説明
名前RHEL8.3_test仮想マシンの名前です
お好みで
マシンフォルダー
F:\VM\CentOS_test
仮想マシン用のフォルダを作っていますが、お好みで
タイプ Linux RHELなのでLinuxを選択
バージョン Red Hat(64-bit) RHELなのでRed Hatを選択
メモリーサイズ2048MB最小RAM要件は1.5GiBなので、2GB(2048MB)とします
ハードディスク 仮想ハードディスクを作成する 仮想マシンが使う用のハードディスクは作成します

もし「バージョン」で「Red Hat(64-bit)」が選択できない場合は、仮想化機能が有効になっていない可能性があります。

Intelの場合は「Intel Virtualization Technology」をBIOSで有効にしましょう
参考URL

次に、仮想ハードディスクの設定を行います
設定が完了したら作成ボタンを押します

項目設定値説明
ファイルの場所F:/VM/RHEL8.3/RHEL8.3_test/RHEL8.vdiフォルダを指定しているので、デフォルトのままで問題なし
ファイルサイズ20GB最低の容量は10GiBなので、余裕を見て20GBとします
ハードディスクタイプ VDI
VirtualBoxで使うだけならVDIで問題ありません
物理ハードディスクにあるストレージ 可変サイズ 可変サイズだと使った分だけ容量を消費します。
「固定サイズ」はファイルサイズの容量を初めから使いますが、多少読み書きが早くなります

問題がなければ「RHEL8.3_test」という仮想マシンが作成されています

ホストオンリーアダプタの用意

ネットワークの準備を行います。
ネットワークとして、ホストオンリーアダプターを作成します

ホストオンリーアダプターはPCと仮想マシン間のみ通信できる通信デバイスです
外部のネットワークとは通信できません

Oracle VM VirtualBoxマネージャーのファイル(F)タブから ホストネットワークマネージャ(H) を選択し、ホストネットワークマネージャーを表示します

作成ボタンを押し、ホストオンリーアダプターを作成します
「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか」と表示される場合ははいを押して操作を続けます。アダプターDHCPアダプタータブが見えない場合はプロパティボタンを押します

今回はVirtualBox Host-Only Ethernet Adapterという名前のアダプターが作成されました

仮想マシンの設定

仮想マシンの設定を行い、作成したネットワークの割り当てなどを行います

Oracle VM VirtualBoxマネージャーにて作成した仮想マシンを選択した状態で設定ボタンを押します

システムからプロセッサータブを選択し、仮想マシンに割り当てるCPU数を調整します
パソコンの性能に余裕があるのであれば、割り当てるプロセッサーの数を2にします

次に、ストレージを選択し、RHELのOSインストールメディアを仮想マシンに割り当てます
コントローラー:IDE部分を選択すると右側の属性に光学ドライブが表示されます。右側にあるCDのマークをクリックし、ディスクファイルを選択をクリックし、ダウンロードしておいたRHELのOSインストールイメージファイルを選択します

コントローラー:IDEの下に選択したイメージファイルの名前が表示されればOKです

最後に、ネットワークを選択し、作成しておいたホストオンリーアダプターを割り当てます
アダプター1タブの割り当てNATからホストオンリーアダプターに変更します。名前は上の手順で作成したホストオンリーアダプターの名前を選択します

ホストオンリーアダプターが1つしかない場合は、上で作成したものが選ばれているので変更は不要です

すべての設定が完了したら下部のOKボタンを押します

OSインストール

仮想マシンを起動して、ついにOSインストールを開始します!!!

仮想マシンの起動

Oracle VM VirtualBoxマネージャーにて作成した仮想マシンを選択肢、起動ボタンを押して仮想マシンを起動します!!!

コンソールが起動します。起動ハードディスクを選択画面が出てきた場合は、そのまま起動を選択します

コンソールの画面を操作している間はカーソルがコンソール画面の中から出ることができなくなります。ブラウザを操作するために出たくなった場合は、キーボードの右のCtrlボタンを押すと出ることができます

OSインストール開始

インストール確認画面になりますのでコンソール画面をクリックしてコンソールの中に入ります。そして、Install Red Hat Enterprise Linuxを選択します
移動は矢印キー、選択はEnterキーです

一定時間内に操作をしないと勝手に進んでしまうので注意してください!

言語設定

処理が進むと言語選択画面になります。日本語でもよいのですが、日本語を使う機会は少ないので英語にしておきます

インストール概要での各設定

INSTALLATION SUMMARY画面に移行するので、必要な設定を行っていきます。

タイムゾーン設定

Time & Dateを選択し、タイムゾーンをAsia/Tokyoにします。地図上の日本をクリックしましょう

ソフトウェアの選択

Software Selectionを選択し、どのような環境とするかを決定します
特別な用途がなければServerを選択しておきましょう。足りないものは後からインストールできるので心配ありません!

ホスト名の設定

Network & Host Nameを選択し、ホスト名を設定しておきましょう。
Host Name: 欄に設定したいホスト名を入力してApplyボタンを押します。ここでは適当にrhel8.3-testと名付けています

インストール先の選択

Installation Destinationを選択し、パーティションを決めます。
デフォルトで自動構成する設定となっているため、何もせずDoneボタンを押しましょう
自分でパーティションを調整したい場合は、Storage ConfigurationCustomを選択したからDoneボタンを押しましょう。設定できる画面に行くことができます

管理者ユーザーのパスワード設定

Root Passwordを選択し、管理者ユーザーであるrootユーザーのパスワードを設定します
管理者なので複雑なパスワードにすることが望ましいです

ユーザーの作成

User Creationを選択し、新規ユーザーを作成します
管理者ユーザーのみでは何でもできてしまうため、一般用のユーザーになります。ユーザー名は適当なものにしましょう

パスワードが脆弱すぎると警告が出ますが、Doneボタンを2回連続で押せば設定することができます

OSインストールの実行

インストールに必要な設定が完了したら、Begin Installationボタンを押してインストールを実行します!!!
進行状況が表示されているので、完了まで待ちましょう

個々の環境によって所要時間は異なりますが、インストールが完了すると再起動を促されますのでReboot Systemボタンを押して仮想マシンの再起動を行います

黒いログイン画面がでてくればインストール完了です!!!!!

まとめ

RHELの仮想マシンをVirtualBoxで作成しました
これでいくら壊しても問題がないRHEL検証環境ができました!!!